TOP > ☆Style藍・ニューテストスペック評価走行の旅・まとめ☆
さて、広島の金本さんのインプレを元に製作したニューテストスペックでの評価の旅。
今回の金本さんのご要望は「運動性能は多少犠牲になっても良いので、乗り心地をもっと改善したい」というものです。
もちろん、トーションバー&リーフスプリングというサスペンションの特性もご理解いただいての「出来るだけ」というご要望です。
運動性能を犠牲にすると言っても、運動性能が売りのオーリンズのピストン&バルブシステムなので、1歩間違えれば、「ただの乗り心地の悪いちょっと硬めの高いダンパー」となってしまうことも。
今までのStyle藍、8年間に及ぶノウハウは1度無視しても新たな走りを手に入れる必要性を感じました。
そこで、今まで数多くのスペックを評価してきた中で、まだ1度も試したことが無いバルブ特性にチャレンジしました。
新テストスペックの基本コンセプトは「20段戻しでの乗り心地と運動性能のバランスの最適化」です。
①あらゆる入力時での突き上げを最小限に抑える。
②前後のピッチングバランスの最適化。
③連続した入力時のバタツキ感の軽減。
④市街地走行スピードでの後部座先の乗り心地改善。
⑤高速走行時の安定性と横風対策。
①~⑤の対策によって、ドライバー&同乗者への身体的&精神的な負担を最小限に抑えつつ、楽しい操縦性の確保。を目指しました。
20段戻しという、ニードルバルブを開いた状態でのメインバルブおよびサブバルブ(DFVバルブ)の組み合わせを最適化することが狙いです。
結果、20段戻しでの乗り心地を含む運動性能が劇的に改善されました。※走行条件で前後の段数は多少変化させた方が快適な場合もあります。(特に②)
オーリンズのカタログモデルで言うと、2~4段戻しでの運動性能(硬さではありません)と、6段~8段戻しの安定性と10段~14段戻しでの入力のいなし方(乗り心地の良さとはちょっと違います)をすべて足して、平にしたフィーリングです。
今までのStyle藍のコンフォートスペックと比較しますと、6~8段での運動性能は多少犠牲になりますが、10段~14段でのしっかりしたハンドリングと乗り心地に対して、単純に乗り心地の良さだけを強調した走りをイメージしていただければ大体間違ってはいないと思います。それを前後20段戻しという段数で実現しました。
唯一、ワイド&スーパーロングのフルキャンピングバージョン車輛と普段お仕事で重量物を積載するユーザー様には、ちょっと物足りない内容となると思いますが、通常のベット仕様や積んでも200キロ程度までのご使用でしたら、今回のテストスペックでも十分にご満足いただける運動性能だと確信しました。
もちろん4WD車輛用もバッチリです。
あと、今回の評価の旅では、12段戻しまで評価しましたが、12段14段では相当ハードな走り方をするユーザー様にもご満足いただける運動性能を確認できましたし、私が最も気に入った前後16段戻しは、どんなスピードでも(極悪路を除く)気持ち良い走り(ハンドリング)が可能でした。
例えるなら、凄くしなやかで一般道での走行も苦にならないワインディング仕様のダンパーの乗り味という感覚です。
そして、20段戻しでは上記の対策の効果が十分に発揮された快適な走りが可能となっています。