川村徹のちょっとタメになるお話の部屋
ちょっとタメになるお話の部屋シリーズ
2025年6月27日
ハンドルをこじる!
寒い時期に少しでも早くフロントタイヤを温めるために、少しだけフロントタイヤをこじる操作をすることはありますが、基本的にフロントタイヤ(リアタイヤも)のスムーズな縦の回転を邪魔する操作はNGなのは当たり前ですね。
この動画では、特にタイヤの縦の転がりを評価しているので、タイヤ様のご機嫌を見ながら操作をしています。
1番分かり易いのが、奥のトライアングルの回り方と、フェニックスのライン取り、4角のショートカットでの荷重移動に現れています。
タイヤをきっちり転がすためのライン取り&荷重移動をしているのがよく分かります。
フェニックスでは、最後まで縁石にぴったり着いて走りたいんですが、このスピードではハンドルをこじる必要が発生しています。なので、ラインを大きくしてGを逃がしています。もちろんタイムロスです。
ショートカット1周では、やはり舵角を増やす必要がありそうだったので、舵角は増やさずに、ちょっと余計に荷重移動をしてタイヤを転がすように操作をしています。もちろん、これもタイムロスです。
1コーナーもNTPもやはり余計な操作が入っているので、ほんの少しずつロスが発生しています。
結果的に、もっとタイヤがしっかり転がるような(舵角が安定する)セットが出ていれば、こういうロスは防げるわけです。
説明文で、ここから2秒アップ出来ると書いてますが、このままのセットでアタックを続けても、ドライバーが余計な操作をすることに違いは無い(更に余計な操作が必要になる)ので、2秒アップはとても無理です。
更にタイヤの転がる速さを意識した場合は、当然ハンドルをこじる場面も増えて来るからです。
この動画のセットは動き出す反応は凄く良かったです。でも、そこから同じ反応で旋回が継続しないセットでした。タイヤの転がりが変化してしまうのです。ドライバーはその状態を察知してラインを修正したり荷重移動をかけたりします。それがそのままロスになります。
巧いドライバーほど、こういうことが起きる可能性が高いと思っています。
・ステアの反応が良い!
・ブレーキングが安定している!
・アクセルを踏める!
この3台要素がお互いを助け合うセットがベターだと思います。
個々の動きが良くても、お互いが足を引っ張る場面があったら当然NGですよね。
なので、モノ(パーツ)を交換する前に(パーツの比較をする前に)現状でのベストバランスをしっかり出して評価をすることが何より大切だと言い続けているのです。
この業界の人間としては商売っ気が無いと怒られそうですが、足踏みをしている人があまりにも多いのも事実ですからね。
でも、個々の大物パーツが仲良くするために必要な細かいパーツのチューニングは全肯定です。
P&PN車輛は交換はNGでも、少しの調整でもしっかりバランスを出すことは可能です。
練習会でタイムを切り取りして「あーだ!こーだ!」もそれはそれで意味があるし、楽しいとは思いますが、目に見えない動きを感じて煮詰めることはもっと楽しいし、お金も掛からないし、何より遠回りする必要も無くなると思っています。
「急がば回れ!」
私が好きな言葉ですが、これって結果的に遠回りになってしまうという状態とは真逆な言葉ですよね。
あ、色々なパーツを交換して、あーだ!こーだ!と評価することが好きな人を決して否定しているわけではありませんので、お間違いの無いようにお願いします。
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※この動画は大須賀選手のND5ロードスターの現状のセッティングを確認するために、美浜ジムカーナDAYの午前アタックコースSSAの試走時に乗せていただいた時の走りです。サスペンション&LSD&ブレーキセッティングの確認をするために続けて2本走行しましたが、その1本目の走りです。1本目はブレーキバランスの確認と前後のピッチ&ロールバランスの確認しているので、タイヤは常に縦に転がっている状況で走らせています。なので、ターンもコーナーもスラロームも非常にスムーズな動きとなっています。タイムもそこそこですが、このタイヤでベストなセットでベストなアタックなのか?と言うと、もちろんベストな走りは2秒近く先にあります。ポン乗り1本目の評価走行なので当たり前ですね。
その2秒のタイムアップは、「更にタイヤが転がるスピードを上げる」ことで達成できます。舵角もライン(多少は変化します)も同じでタイヤが転がるスピードを上げるセッティング&操作ですね。もちろん最大減速時におけるタイヤの転がりもめちゃ重要なのは言うまでもありません。
横へ逃げようとするタイヤのグリップと格闘するのではなく、もっともっとタイヤに転がってもらうために何をするべきなのか?
タイヤが転がるのも横へ逃げるのも、必ず理由があります。その理由を見つけて対応していくのがセッティングであり、スキルアップなのだと思います。
マイナー後のGRヤリス用スーパーオーリンズ&BPSダンパー
2025年3月11日
さて、今週は新品のGRヤリス用スーパーオーリンズ2セットと、同じくマイナー後のGRヤリス用BPSダンパーを製作させていただきます。
スーパーオーリンズはストリート&サーキット仕様とストリート(ワインディングを気持ちよく走れる)仕様となります。
BPSダンパーはジムカーナ100%スペックです。
ストリート用・サーキット用・ジムカーナ用。
どのようなご希望にもお応えできるように豊富なスペックをご用意しております。
GRヤリス。マイナー前も後もバッチリお任せください。
GRヤリス。マイナー前もマイナー後もストリートから競技用までバッチリお任せください!
2024年11月16日
最近、マイナー前&マイナー後のGRヤリス用ダンパーのご注文をたくさんいただきます。
最も多いのはストリート用スーパーオーリンズですが、競技用スーパーオーリンズ&BPSダンパーも定期的にご注文をいただきます。
本当にありがとうございますm(__)m
フルノーマルのGRヤリスは幸田サーキットでよく乗せていただきますが、もちろんノーマルでもそれなりに楽しく走れます。
でも、タイヤ&ホイールを換えたら、やっぱりブレーキと脚は入れたいですね。
もう何度も紹介しているので見飽きていると思いますが、下の動画は片山選手が全日本ジムカーナに使用したGRガレージ水戸インター様のGRヤリスのシェイクダウン動画です。
全くの新車でエンジンとミッションのナラシを兼ねて幸田サーキットへ移動して、レイズさんのホイールのマッチングを見たり、試作ダンパーのフィッティングを見るのと、私自身がGRヤリスに初めて乗るので(国内でも納車1番乗りくらいの車輛ですので当たり前ですね)まずはGRヤリスがどんなもんかな?でした。
車輛はブレーキと脚以外はフルノーマル(タイヤも純正・デフも前後オープンデフ)車輛ですが、目的は十分にクリアできました。
脚も組んでアライメントを合わせただけの超暫定スペックでしたが、純正タイヤ&オープンデフでも非常に乗りやすかったです。
バネもリアは14Kで固定でしたが、フロントは16K・18K・20Kを用意して、動画の時はフロント20Kと最も硬いレートを組んでいます。(この時は最終的に16K・14Kが乗りやすかったです)
純正タイヤに20K&14Kですからね。それでもGRヤリスは普通に走れちゃいます。それだけ素性が良いんだと思います。
ちなみに、ストリートからショートサーキット走行までカバーするセットの場合は、装着されるタイヤによって、フロント10~14K、リア8~12Kをお勧めしています。
RZハイパフォーマンス車なら、マジでブレーキと脚だけでめちゃくちゃ楽しく走れますね。
というわけで、GRヤリス用ダンパーのご用命は、ぜひAZURまで♪という宣伝でした!(^O^)/